20. November 2018
幼年の頃から毎年夏に滞在した父方の故郷、高野山。有名なお寺や大学があってね、と幼少時から聞いていましたが、私の興味はもっぱら、お土産屋さんにある絵本。地獄はこんなところ!とか、曼荼羅の意味等が図解してあって、それら衝撃的な絵は今でも忘れません。私は虫が苦手で、山道を歩くのは楽しくも恐怖でいっぱい。鋭く長い山草ではよく手を切り、自家畑へ行く道いっぱいに黒とオレンジの派手なゲジゲジがいて、その名も「しなんたろう」(怖)父の実家の大きくて元気すぎる3匹の犬が怖くて怖くて今も犬が苦手。そんなヴィヴィッドな思い出に満ちた高野山ですが、近年は「日本の地域で育まれた音文化の継承」を調査研究している関係で高野山へ初めて調査目的で訪れたのが昨年夏。ああ、もっと早く来ていたら、調査歴30年は軽く越えたのに?と後悔しています。親戚は生まれた時から高野山におり、何かと協力してくれて有難い限り。2010年の大晦日、宿坊に初めて泊まりました。雪と金剛峯寺と年末行事の松明。静謐さと荘厳さは、鈴木忠志さんの舞台照明を思い出させました。来年、利賀で発表する金森穣さんとの新作の音楽に、何かが影響しそうな予感です。